圧力鍋といえばどうしても付きまとうのが危険なイメージ。一歩間違えば爆発して大惨事。顔に大やけどを負う可能性も。
「圧力鍋を使ってみたいけど怖い・・・」
と躊躇している人も多いんじゃないでしょうか。
確かに圧力鍋には危険性もありますが、しっかり理解したうえで使えば大丈夫。
ここでは実際に起きた怖い事故例と、それを防ぐための正しい使い方について解説していきます。
「圧力鍋 事故」で検索したら圧力鍋の蓋が天井に刺さってる画像出てきた。 pic.twitter.com/sbXcfzxwEB
— wataru(nayutanayuta) (@rekid0219) November 23, 2017
圧力鍋の実際の事故例
圧力鍋に2人用のシチューの材料を入れ、ガス台にかけた。圧力がかかった後、数分後火を止めた。しばらくして蓋を開けようとしたが、開かなかったので流し台に鍋を運び、上から水をかけたところ大きな音とともに鍋の蓋が飛んで中身が飛散し、顔に1ヵ月以上のやけどを負った。
上記のような事故は国民生活センターなどに報告されている実際の事例。
文字で見ただけではその怖さが伝わらないかもしれませんが、自分の部屋でこんなことが起きれば大変。顔に大やけどを負うくらいで済めばいいですが、下手したら死亡事故にもなり得ます。
国民生活センター
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20090219_2.html
nite製品安全センター
https://www.nite.go.jp/data/000050678.pdf
ルールを守れば安全なもの
日本で販売されている圧力鍋は、かなり厳格な基準をクリアした信頼できる製品。
だけどこれはきちんとルールを守って使った場合に限ります。使い方を誤れば重大事故に繋がる可能性があるので、以下のようなことをきちんとチェックしてください。
禁止されている食材
・カレーなどトロミのあるもの
・豆など膨れるもの
・パスタなど泡の出るもの
・牛タンなど被膜に覆われたもの
圧力鍋の説明書に書いてあるはずですが、上記のような食材は圧力鍋での調理は注意が必要です。
特に豆は圧力鍋の事故の4分の1を占める危険食材。豆の皮が蒸気口をふさぐことで、鍋の中の圧力が以上に高くなって爆発を引き起こすんです。
あとはカレーやシチューなどトロミのある液体もダメ。同様にトロミが蒸気口をふさぐ可能性があります。
カレーなどを調理するなら、圧力鍋を使うのはルーを入れる前。これは必ず守ってください。
無理にあけないこと
圧力鍋は圧力がかかった状態でフタを開けることはできません。
もし無理やり開けようとすると中身が噴出し、フタを吹き飛ばして顔に大やけどを負うことになります。
圧力鍋を開けるのは、必ず圧力が抜けて鍋のピンが下がった後。基本的なことですが、これを守らずに起きる事故も多いので要注意。
メーカーによっては水をかけて急速冷却する方法を紹介している場合もありますが、私はこれも推奨しません。水をかけたことによって爆発した事例もありますので。
圧力鍋の圧力が抜けるまでの待ち時間は、貴重な余熱調理の時間。じっくりと待ちましょう。
そもそも急速冷却が必要なくらい急いでいる時に、圧力鍋なんて使う必要はありませんよね。十分な時間のある時に調理しましょう。
加圧時間
圧力鍋は普通の鍋とは少し違い、火加減の調整がすごく大切になります。
最初は強火で熱して圧力がかかったのを確認し、あとは極弱火で調理します。
これを最初からずっと強火をキープしたりすると大変。場合によっては圧力が高くなりすぎて大事故につながる可能性があります。
なので調理の際は説明書に書いてある通り、きちんと火加減を調節するようにしてください。
あとは調理時間ももちろん大切。長く調理しすぎると空焚きになり、これも重大事故につながります。
メンテナンス
正しいメンテナンス方法については別の記事で詳しく解説していますが、これも重要な要素の一つ。
蒸気口にゴミが詰まっていたり、パッキンが劣化していたりすると事故の危険が高まります。
安全に使いましょう
こんな風に危険性を説明すると、圧力鍋がとんでもなく怖いものみたいに思えてきますよね。
だけど実際に日本で起きた重大事故は10年で数十件ほど。普通に使えばまず安全な調理器具なんです。ルールを守ったうえで、あまり怖がらずに使用してくださいね。